「矢吹刑事~、今夜行きません?」
「悪い。先約がある。」
聞き込みから帰ってくると、自販機のある休憩室で先輩が婦警さんらに誘われていた。
珍しいな、先輩が断ってる。
先輩、来るもの拒まず去るもの追わずなのに。
「今帰ってきたのか。」
「はい。」
自販機にお金を入れようとした時、先輩が喫煙所からやってきた。
そして代わりに小銭を入れてくれた。
わお、先輩ってたまに優しいんだから。
「あざす。」
「ん。…で、なんか掴めたか?」
「いや、収穫なしっす。」
「そうか。まあ、ぼちぼちな。」
「うぃっす。」
―――――ポンポン。
先輩は俺の肩を叩くと、休憩室から出て行った。
カッコイイ~。
そういや、まこちゃんって先輩にお世話になったって言ってたな。
なんかあったんかな。
先輩まこちゃんのこと覚えてるかな…
いや、覚えてねーか。
先輩、高校生には興味ないしね。
でも、まこちゃんのあの恥ずかしそうな顔。きっと先輩にホレてたんだなぁ。
まあ、あんなイケメンに世話になったらホレもするわなぁ。



