「改めて、私がお付き合いさせてもらってる矢吹 凉さん。」
「初めまして、矢吹と言います。
真子さんとは3年前から交際をさせていただいてます。」
初めて見た。
凉さんのちょっと緊張した顔。
なんだか新鮮。
「真子から君の事はだいたい聞いたよ。
職業も年齢の事も…。」
「年が離れすぎてて少し不安なところもあるわ。」
落ち着いた様子でそう話すお父さんとお母さん。
それを凉さんは真剣に耳を傾けていた。
「でも、あなたなら大丈夫そうね。」
「え?」
お母さんがそう優しく微笑む。
私は黙って聞いていた。
お母さんとお父さんならきっと分かってくれる、凉さんのこと。
「君に助けてもらった身だ、君がどんな人間かは分かったつもりだ。」
そう言ったお父さんは、静かに凉さんの方へ手を差し出し…
「真子頼むよ。」
お父さん…。
やっと私の大切な人、紹介できた。