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「孝幸、なんでだよ。」



「はぁ?何がだよ。」



やっと帰れる、そう思いながら教科書を鞄に詰め込んでいると何の前振りもなくあいつがいちゃもんつけてきた。



あいつ、それは俺を誰よりも知り尽くしていて超ウザい奴。



「奈々子先輩のことだよっ!」



何でそんな必死の形相なんだよ。


こいつはいつものアレか…。



「お前、またポイされたのかよ。」



「う、う゛るざいっ。。」



はぁ…こいつは、毎度毎度。


呆れる俺に抱きついて人目もはばからず泣きじゃくるこの男、郷田健。通称タケ。


正真正銘、可哀想なドM野郎だ。



「お前もバカだよな。ほんと。」



「ちげーよ、奈々子先輩は違うと思ったんだよ~(泣)。。」



「その台詞聞き飽きた。」



「孝幸慰めてぇ~~~~(泣)。。」



「めんどい。」



何だかんだいって、こいつと俺は腐れ縁というやつで小学校からずっと一緒。


正直に言えば、ほっとけないんだよな。


いつもキツい女にハマっては、最後にポイされる…可哀想なやつなんだ。



何がそんなに捨てられやすいんだろうな、可愛いやつなんだけど。