教室で散々、甘酸っぱい禁断の告白ごっこを楽しんだ私たちは普通の恋人同士に戻って、今度は体育館へ向かって歩いていた。
「ねぇねぇ、孝幸って部活入ってた?」
「ん~…正式には入ってなかったかな。
色々やってたけど。バスケとかサッカーとか、あ、柔道もか。テニスも少しやったな。」
「な、何でそんなにっ?」
「助っ人で色々回ってたんだよ。」
「へぇ~すごい。
孝幸、運動神経バツグンだもんね。」
「体動かすの好きだったし。
あ、でも、文化部系も回ったぞ?放送部とか
料理部とか、美術部のモデルとか。」
運動部の助っ人だけですごいビックリなのに、文化部まで手を広げてたなんて…
恐るべし、塚本孝幸。
でも、いいなぁ。
放送部ってことは、みんなお昼ご飯を食べながら孝幸の声が放送で聞けたんだよね。
羨ましい。。
料理部だって、きっと孝幸の作った料理を食べたい女子が群がってたんだろうなぁ。
「美術部のモデル…」
ん…?
美術部のモデル…
まさか、ヌード的な感じじゃないよね…?
それはさすがに、ねぇ?
いやいや、でも孝幸のあの筋肉質なギリシャ彫刻のような美しいボディーは、絶好のモデル。
「こら、妄想しない。裸じゃないからな?」
「あ、そうなの?なんだぁ。」
悶々と想像を膨らませていた私の頭の中が見えたのか、孝幸はそう言って笑った。
なんだ。良かった。
「お、体育館の床、ピカピカになってる。」
「私が1年の時、床板新しくなったよ。」
「へぇ~。」
体育館の中を見渡した孝幸は、転がっていたバスケットボールを見つけて、そのまま近くのゴールへシュートした。
綺麗に輪の中を通ったボールを拾い、孝幸はニヤッと笑って見せた。
はい。もう言わなくても分かりますよね。
またキュンキュンしちゃいました。



