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それから、1週間があっという間に過ぎていった。
迎えに来た香苗さん、快斗くんのお母さんは
大きなカンガルーのぬいぐるみと共に可愛い息子、快斗くんを思いっきり抱き締めていた。
照れくさそうにする快斗くんは、すごく嬉しそうだった。
だって、1週間振りに大好きなお母さんに会えたんだもん。
そんなあっという間だった1週間。
相変わらず、快斗くんとお兄ちゃんは子どものケンカばっかり。
保育所にお迎えにいくと、快斗くんの好きな女の子がお兄ちゃんにホレちゃって快斗くんがヤキモチやいたり…
じゃれて遊んでいて、快斗くんが私にチュッて可愛いキスをして、お兄ちゃんがヤキモチやいたり…
でも、すごく楽しい時間だった。
それに新たに発見したお兄ちゃんの顔もあったしね。
それは別れ際にもチラッと見ることが出来た。
「じゃーな、チビ快斗。おねしょするなよ。」
「おねしょなんかしねーもん。
チビってゆーな。」
「早くでかくなれよ。でかくなって、母ちゃん守ってやれよ?」
「わかってるし!母ちゃんはおれのヨメにするんだ。」
自信たっぷりの快斗くんを見つめれお兄ちゃんは、ちょっと父親のように見えた。
あの私にベッタリで甘えん坊のお兄ちゃんが、
快斗くんを思って叱ったあの顔。
快斗くんを思って心配したあの顔。
快斗くんを思ってホッとしたあの顔。
兄妹に戻ることが出来た私達だけど、
初めてみたお兄ちゃんの顔。
快斗くんのおかげだよ。
ありがとう。