「え、私ですか?」
「はい!ぜひ、パンフレットに掲載する写真に写っていただけないですか?」
「あ、アップじゃなければ…」
ベンチに座ってると、動物園のスタッフさんにお願いされ、仕方なくモデルをすることに。
快斗くんはいい子して待ってるっていってくれたし…すぐ戻ってこなきゃね。
キリンと一緒に写真を撮って、一発OKがでると私は急いでベンチへ。
「快斗…くん?」
ベンチに座ってるはずの快斗くんがいない…
一気に不安な気持ちでいっぱいに。
「瞳、ごめん。遅くなって…ちょっと、頭冷やしてた。…どした?」
ジュースを両手に持ったお兄ちゃんが泣きそうな顔をしてる私に気付き、聞いてきた。
「ちょっと離れたら、
快斗くんいなくなってて…どうしよ。。」
「瞳、落ち着いて。大丈夫。ほら、探そ?」
うん。泣いてる場合じゃないよね。
快斗くん、探さなきゃ。
私とお兄ちゃんは手分けして、快斗くんを探して園内を走り回った。
ばかばか。私がちゃんと見てなきゃいけなかったのに。
「いたっ?」
「一応ライオン辺り見たけど、居なかった。」
再び合流した私とお兄ちゃんは、どうしようかと頭を抱えていた…時、
迷子の呼び出しの放送が流れた…
『さえき かいとくんのご家族のかた……』
その名前を聞いた瞬間、私とお兄ちゃんは顔を見合わせて迷子センターへ走った。



