「んっ…はぁ。孝幸、ま、待って…」
立っていられなくなった瞳が俺を止めた。
さすがに玄関で始めてしまうのもヤバイか…
「もう、皆2階にいるんだよっ。」
「あぁ、そうだったな。」
見ると確かに玄関には男子のゴツいスニーカーが何足か並べてあった。
勉強会してるんだったな。
「じゃあ、ちょっと様子見てから帰ろっかな」
「ん。私もお茶とかお菓子用意して上がるから。」
瞳のおでこに軽くキスをすると俺はそのまま2階への階段を上がった。
部屋の外まで笑い声がもれていた。
ったく、勉強は?
相当盛り上がってんな。
ドアを開けようとした俺の手が止まる。
思春期真っ只中の男子の会話が耳に入った。
『沖田さんって、女子で一番胸でかいよな。
水泳の授業が男女別ってのが気に食わないよな。』
『いや、一緒だったら俺の反応しそう。』
『彼氏さんとはやっぱ濃厚なやつするんかな。』
『お前らの乏しい想像力じゃ、まだまだ。』
『んだよ。角、見たことあんのかよ?』
『何度、俺が空気を読んで自分の部屋を留守にしたか…』
『まぢか。見てー。』



