ーーーーそれは俺らがまだ高２の頃。
「まぢヤバイよ。ヤバイよ。」
「何？出川のモノマネ？」
「冗談抜きで、進級危ういんだけど。」
放課後、帰り支度をしてた俺に高塚が泣きついてきた。
高塚は、高１の頃から何かと俺に絡んでくる…見た目から中身までチャラい男。
「お前って、アホなの？」
「バカ！俺は昔っから、やればできる子って言われてんだよ！」
ウザッ。
「だったら、やってやりゃいいじゃねーか。」
「いや、俺の力は来週のテストまで間に合わん。」
「意味ねー。」
「てか、バカな俺に何で泣きついてくんだよ。言っとくけど、俺もギリギリなんだよ。」
人に構ってられる余裕なんかない。
「角って、山口さんと仲良いよな？」
「真子ﾁｬﾝ？まぁ。」
「いやぁ～勉強教えてもらいたいなぁって。」
「ふーん。頼んでみれば？」
「いやいや、そうじゃなくって。」
「角から頼んでみてくれ！頼む！」
「自分で頼めよ。」
「いやぁ、なんか、俺のこと苦手みたいで。」
確かに。真子ﾁｬﾝには高塚みたいなタイプ、苦手そうだもんな。
「そんな子に頼むか？普通。」
「山口さんに教えてもらったら俺、できる気がする。だから、頼む～m(。≧Д≦。)m」
土下座する高塚に呆れ、俺は仕方なく真子ﾁｬﾝに頼んでやることにした。
てか、こいつ。ホイホイ土下座するな。
『沖田さんもだぞ！絶対誘えよ！』
おい、まぢ図々しい奴だな。
めんどくさい奴に気に入られたな、俺。
