B氏は勇気がない意気地無しだった。
それでも生きていた。
一歩踏み出すことが出来ないのだ。
もう何日こんな生活をしているのだろう。
B氏は腹が立ってきた。怒りは出ても、勇気は出ない。それがB氏だった。
B氏はそれでも勇気を振り絞って扉を開けた。
誰もいない。当たり前のことだ。ここにはB氏しか住んでいない。
次の日廊下に出てみた。何年ぶりのことだろう。
次の日は階段まで、次の日は階段を下りて…
一日一日勇気を出して行動した。
行動を初めて十日、外に出る事が出来た。
太陽の光は気持ちいものだ。
何十年ぶりに外に出たのは良いが
今度は家の中に入る勇気が出てこない。
「どうすればいいのだーーーー」