六年一組、本紛失事件

「やっとわかったようだな」

「はい。で、で、でもなぜそれを持っているのですか?」

「生徒から聞いたぞ」

「ええ? その……あの……この……いや……」

 田脳の目の視線は定まらず、顔色も真っ青に変化していた。

「何が言いたいんだ!」

「それは……確かに……渡しました……でも……」

「困るね! おじさんが小学生にラブレターなんて!」

「す、好きなんです……」

「好きだからってそういう問題ではないだろう?」