六年一組、本紛失事件

「だって、だって……」

「あれ、今日は遅刻じゃないね」

 高蔵が話しに割りこんできた。

「そうよ。いつも、遅刻だと思ったら大違いよ! それにあの先生変だし、怒られるのヤダもん」

「そうだよな。あの先生ってやさしいかと思ったけど、なんか違うよな。怒ったら絶対、怖そうだな」

「言えてる!」

「それで、最近どうなの?」

「忙しいよ! 学校にこれるときはくるけどさ、今度、雑誌の表紙に使われるからさ、もしかしたら、もしかするかもさ」

「そしたら、やっぱ今のうちにサインとかもらった方がいいな」