六年一組、本紛失事件

「はい、わかりました!」

 ここで大きな声で出さなくてもいいのに、馬屋は高蔵に忠誠したようだ。

「ええっ! やだ、ゴキブリ男と一緒にに歩くなんて、私が腐っちゃうでしょ!」

 ひとみはむっくと起き上がり、文句を言った。

「もう大丈夫だな」

 高蔵の作戦が成功したようだ。

「おはよ~う!」

 と、明るいあいさつはアリスだ。

「おはよう!」

 誰よりも早く返答したのは子吉沢だ。

「子吉沢君、最近、明るくなったね」

 アリスは言った。