六年一組、本紛失事件

「渋革、大丈夫か?」

 高蔵はひとみのことを気にしていた。

「大丈夫なわけないでしょ!」

 ひとみは机につっぷしたまま激怒した。

「そうか、じゃ、おーい馬屋!」

 高蔵が呼ぶと、馬屋は一目散に現れた。

「なんでしょうか?」

 馬屋も笈滝に続き完全に高蔵の手下のようだ。

「お前、保健委員だったよな」

「はい。そうです」

「それじゃ、調子が悪いらしいから、保健室に連れてけよ」