「好きです。これを……」
 と、田脳は言って、封筒をひとみに渡し、逃げるように走って行った。

「それ、ラブレターじゃない?」

 と、慶子は笑いを堪えるように言った。

「さあね」

 と、ひとみはあっさりと言った。

「きっと、ラブレターよ」

 美紀子は目を輝かしていた。

「やだー、キモイよ」

 ひとみは本音を言った。当たり前である。

 三人は急いで教室に行った。ひとみを中心に慶子と美紀子が両脇をはさんだ。