「おう、こちらが用務員の田脳君だ!」

 波教頭は高基教諭に紹介した。

「た、田脳です……」

 田脳次郎は童顔であった。実年齢は三十三歳であるが、どうみても二十代半ばに見える。だが猫背で、老人のように背中が曲がっているので、奇妙に見えた。

 高基教諭も軽く会釈した。