もう寒くはなかった。

 春だからである。

 校庭に一年生から六年生まで綺麗に整列していた。

 校舎は大きく使用していない教室が多くある。人口が減ったせいである。昔なら校庭を生徒たちが埋め尽くしてしたが、今は違う。学年によってはクラスが一つしかないこともある。

 始業式が始まるのを全生徒が待ちくたびれていた。特に低学年の生徒は後ろを向いたりしてせわしなく動いていた。

 教師全員が現れた。なじみの顔である。