朝から嫌な雰囲気だった。テレビのニュースで流れてしまっては、事件の内容を知らない者さえいない。

 早速、生徒たちは体育館に集合した。

 校長から事件の説明だった。言葉は短く、難しい言葉で小学生では理解できる者は数少なかったであろう。

 話は終わり、生徒たちは教室で待った。

 六年一組の教室はいつまで待っても高基教諭がこないので、生徒たちは不安でいっぱいだ。一部の生徒は朝からマスコミの取材を申し込まれ、逃げるのが精一杯だった。あれほどテレビに映ることを望んでいた生徒さえも現実になると、口をつぐんでしまったのだ。須葉瑠はもちろんひとみも慶子もである。