高基教諭は教室を退室してから戻ってこない。

 高蔵は子吉沢に犯人扱いにされて憤慨していた。

「子吉沢!」

 高蔵の声が響きわたり、教室は凍りついたように静かになった。

「何だよ!」

 子吉沢も後を引けない。

「俺がそんなことするわけないだろう!」

「どうだか」

「何だ、その口の利き方は!」

「ずいぶんと偉そうだな! お前など偉くもないぞ!」

 高蔵は机と椅子を蹴り、子吉沢の前に出て行った。