「お前が? そんな顔で? バカか。はははははっ」

 高蔵はお腹をかかえて笑った。

「高蔵君、どうやら、信田君は本を持っていっていないな」

 今まで沈黙していた子吉沢が言った。我慢の限界がきたようだ。

「そうだな」

 高蔵は笑いを堪えて言った。