「何で盗むのよ! ありえない!」

 ドアは閉められた。もちろんである。

「飛騨も違うな……」

 高蔵が違うと言えば決まりである。誰も反論しない。

 四人は次の生徒の家に向かった。階段で七階まで下りた。

「次は誰だ?」

 高蔵は馬屋に聞いた。

「安田です」

「秀才か。こんな難事件を仕組むなんて、頭のいいやつかもしれない。あやしいな……」

 高蔵は先入観で物ごとを考えている。ドアが開き、桃香は口を開けたまま突っ立っていた。