「恥ずかしいです」

 藤美教諭は頬を赤めた。

 コンコンと準備室を叩く音がした。誰かがきたのだ。

 高基教諭は背筋が伸びるのがわかった。

 誰だ。

 あと五分でも遅くきてくれればいいのにと、タイミングの悪さを呪いたく思った。