須葉留と有紀は放送委員なので、教室にはいない。放送室にいる。

『これから、お昼の放送を開始します』

 と、須葉留の声が響きわたった。一斉に生徒たちは給食を口に運んだ。

 今日の献立はあげパンと卵スープと牛乳とチーズである。

「ツトム! おかわりを取りに行け!」

 高蔵が笈滝に指示を出した。

 笈滝はスープの入った容器を持ち出して、給食室に急いだ。

 馬屋は高基教諭が見ていないことを確認して、笈滝のスープに消しゴムのカスを入れた。

 五分後、笈滝は戻ってきた。額は汗で濡れ、肩で息をして辛そうである。