「明日の朝、みんなに話して本を戻してもらう。でも、もしかしたら、明日になったら机の上に置いてあることもあるから、まあそう心配するな」

「でも、もし見つからなかったら、どうするんですか? 相手は理々君ですよ」

「何度も言わせるなよ。大丈夫だ!」

 高基教諭は自信があるようだ。

「それなら、先生を信頼します」

「それでいいんだ」

 ひとみも安心したのか、顔色が少し、赤くなってきた。

 高基教諭は田脳のことをひとみに聞こうとしたがやめた。もう眼中にないと判断したからだ。