目が覚めると次の日の朝だった。


「・・・っ!美代さん!」


起き上がろうとしたが身体が言うことを利かない。


「龍之助!目を覚ましたのかい!今お医者様呼んでくるからね!」


そう言うと母は家を飛び出した。


それから僕はひどい熱にうなされて1週間は寝たきりの生活が続いたが、徐々に良くなって行った。


お医者様はそれだけで奇跡だと目を丸くしていた。


体調もすっかりよくなり歩ける様になってきた頃僕は決意していた。


美代さんの家に行って堂々と娘さんをくださいと頭を下げに行くことを・・・。