恋の種



「基本的には里緒菜ちゃんは何もしなくてもいい、ただ俺がここに来れない時に、代わりに世話してくれれば、…こいつさ、誰に似たんだか、寂しがりやでさ」


「私にできるかな…」


「できると思ったからっていうか、里緒菜ちゃんしかいないって、俺の目に狂いはない!」


「そんな大げさな…」


「ダメかな…?」


そう言って私を見上げた先輩は、いつもの先輩からは想像も出来ないほど子供っぽくて、心が揺れた。

これって二人だけの秘密だよね?

これって、チャンスなんだよね?

ピンチをチャンスに変えて、幸せゲットだよね!


私の恋する思考回路は先輩で埋めつくされた。



小泉里緒菜、本日付けでタマの世話係に昇格しました!


「んっ、携帯出して?」

「え?」


「連絡とれないと、俺が来れない日とかわかんないだろ?」





赤外線で送られて来た先輩の番号とアドレス…



「二年になってから生徒会がいろいろ忙しくてさ、だから、俺が来れないときは連絡するから」



連絡するから…



…やったぁー!



喜びを噛み締めてる私を不思議そうに見ているタマ


「タマ〜っよろしくね」



「ワンっ♪」