恋の種



先輩に抱かれた小犬は、嬉しそうにブンブン尻尾を振っている。



「小泉 里緒菜っ」


「はいっ」



「今日から、こいつの世話係に任命する」



えぇ〜!?


慶吾先輩の顔は真面目で、冗談じゃなさそう



一体どこから突っ込めばいいのか…



「里緒菜ちゃん、犬、嫌い?」


「嫌いじゃないですけど」


好きとか嫌いとかの問題じゃ…



「決まりだな!名前はタマ」


タマ?犬なのに?


「俺が付けたんだけど変かな?」



悲しそうな目で私を見つめる慶吾先輩とタマ



「…変じゃないです」




「よろしくな」
「ワンッ♪」


「………」