恋の種


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「あっ上手に出来てる」

「もうすぐだもんね、親睦会」


早起きして作ったお弁当を食べながら、親睦会に向けての作戦会議


「いい?何が何でもお弁当食べてもらうのよっ」

「…何が何でもって言ったって…うまくいくかなぁ…」


「頑張って里緒菜っ」



思い出しただけでもゾッとする慶吾先輩の周りを取り囲む女の群れ…



『お前に相手なんて出来ねぇよ』



悠登の言葉が重くのしかかる…




「きャァ♪」

「かっこいいっ」



突然騒がしくなった教室



「ちょっと里緒菜っあれっ」



バシバシ私の肩を叩きながら興奮気味の真紀



「ん?あのねぇ、私は慶吾先輩しか興味な…」


って…慶吾先輩っ!?



「一年のクラスに何の用だろう」


「もしかして、里緒菜に会いに来たとか…」


「それだったら里緒菜すごいじゃん」



勝手に盛り上がる真紀と千春


慶吾先輩が私に会いに?


ないないない…


誰かに会いに来たのは確かだろうけど



「小泉さんっ」



慶吾先輩の周りにいた女子の一人が私を呼んだ。



先輩は食べかけのからあげを落としそうになった私を、少し笑って手招きしてる。




「昼飯途中だった?」


「あ…いぇ…もうお腹一杯で」


「ちょっと付いて来て」