恋の種

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いつもなら、待っていてくれるその場所に、悠登はいなかった。


来週の月曜の親睦会、悠登…覚えてるかな


何であんな怒ってたんだろう…

置いてきぼりをくらったこの状況は、予想外に響いてくる。

謝ったほうがいいのかな



いや…、謝るもなにも、私はむしろ被害者で…



…また思い出しちゃった


昨日のキス


「…はぁ…」



一人で歩く道のりはすごく長く感じた。





「あれ?悠登休み?」


「直哉くん、おはよ、来てなければ休みかも」


「休みかもって…いつも一緒に来てんだろ?」


「……」



「ま、いっか教室まで一緒に行こう」




―キキーッ



校門の前に止まったかわいいクーパー


助手席から降りてきたのは





「隆司っ」
「隆司くんっ」




運転席の窓が開いて、可愛らしい女の人の顔が見えた。



隆司くんは運転席の方に行き、女の人と軽くハグ…


「…彼女かな…?」


「俺…聞いてねぇ」



名残惜しそうに、クーパーは去って行った。