恋の種



「人の気も知らねぇでなんなんだよ…、だいたい慶吾先輩が里緒菜なんか相手にするわけねぇだろ」


「そっそんなのわかんないじゃない」


「わかるよ、あんな色気ムンムンの女たちに囲まれて生活してんだぜ?そんやヤツの相手なんか、お前には無理に決まってる」


「…………」


「それともあれか?初めては慶吾先輩に〜なんて思ってんのか?慣れてる人がいいんだもんな?」





…ひどい…


いくら悠登でも言っていいことと、悪いことがある


いつもみたいに、悪かったなんて謝ったって、許してあげないんだから



「放してよっ!!」


すごい力でビクともしない

悠登と私の距離は離れるどころか、縮まっていく。




「ちょっ…なっ…」


ついには…唇が触れた…


「ん〜っ」


何っ…これ


暖かいものが口に入ってくる


…っ!!悠登の舌!?



私の口の中を探索するようにゆっくり動く悠登の舌



「…んっ…」


私の舌をすくうように絡めてくる


悠登のキスは、さっきの言葉とは裏腹に、すごく優しくて



初めてのキスの時とは違ってた。





「……んっ」


「…里緒菜…」



優しい悠登の声



目を開けると悠登と視線が重なって



―ドキッとした