「…お前、指…、料理なんかしたことねぇくせに…」
「え?何?」
「指、大丈夫かって言ったんだよ」
「あこれ?へへ、慣れないことはするもんじゃないね、でも全然平気、それよりさ、こんな時間までどこ行ってたの?」
「………里緒菜に関係ねぇだろ。」
「何よその言い方」
「ごちそうさん、うまかったよ」
悠登は空になったお弁当の箱を私に押し付けた。
「これでいいだろ?…もう帰れよ」
「………」
「帰れって!」
「何怒ってんのよ、意味わかんない… あ、わかった、女の子となんかあったんでしょ〜?」
「…………」
「悠登、あんまりいろんな子に手ぇ出してると、ほんとに好きな人が出来たとき後悔するよ」
「………れ…ねぇよ」
「何?聞こえない」
「お前に言われたくねぇっつってんだよ!」
「…きゃっ」
悠登は私の手を掴み、ベッドに押し倒して、私の両手を押さえ付けた。

