恋の種

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テーブルの上に出来たてのお弁当を置いた。

千春の家から帰ったあと、メモを片手にまた作ったのだ。



お弁当の隣には硝子の子瓶

その中に入っている可愛いキャンディ


先輩がこれを買うところを想像したら何だか笑えた。



窓を見ると悠登の部屋の電気は付いていなかった。


せっかく味見させようと思ったのに

出来たてのお弁当を見つめながらにまにましてるうちに、悠登の部屋の明かりが付いた。







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「悠登、ご飯食べちゃった?」


「っ!ノックしろって」

―コンコンッ


「だから開ける前っ!」


「悠登、ご飯は?」


「……まだ食ってねぇけど何で?」


「ジャーンっ、里緒菜の手作り弁当!味見してほしいの、早く食べてよ」


「味見?」


「そ、食べたら感想聞かせて?男の意見が聞きたいの」


「まさか慶吾先輩に食わせる前の毒味か?」


「ピンポンピンポーン♪」



悠登は私の顔を見たあと、無言で箱を受け取り、黙々と食べ始めた。


「どう?どう?」



「……普通にうまいよ」


「ほんと?」


「ああ」


何かいつもの悠登らしくない


「何かあった?」


「は?別に何もねぇよ」



やっぱり元気がない