帰り道。 方向の違う片岡君と凛子とは改札で別れ、私は航君と電車に揺られていた。 「あーあ、なんか、私役立たずだなあ……」 思わず愚痴がこぼれると、航君が私を見た。 「役立たずって?」 「片岡君に選挙手伝うって約束したのに、結局航君と凛子がぜーんぶやってくれて。 私、なんにもしてないんだもん」 「……将吾とそんな約束したんだ?」