「ったく!」 航君は手に持っていたマスクを机にたたきつけた。 そして、がっくりと座り込んでしまった。 「……航君、大丈夫?」 心配になって声をかけると、航君はゆっくり顔を上げた。 私の顔を見ると、フーッと一つため息をついた。 「ああ、平気だ。 歩美だって、俺が強引に引き込んだようなもんだしな。 今度はバスケ部のやつらにでも名前貸してもらうよ」