「ああ、できる!
老人ホームへの寄付をやめりゃいいんだ。
去年の総会資料の予算じゃ、寄付金は30万だった。
それを部活費に回せば可能だ」


「へえ、意外。
ちゃんと総会資料なんか読んでたんだ」


凛子が茶化すように言ったけど、私は違うところに反応した。


「えっ、寄付金って、30万円もしてるの!?」


驚きを思わず口に出すと、片岡君は私の方に体を向け、得意そうに長い足を組み替えた。


「おお。
ちなみに歩美、生徒会費って年間一人いくら払ってるか知ってるか?」


「え、ううん、知らない……」