片岡君は、あっという間に階段を駆け上って行ってしまった。 残された私たちは、お互いに顔を見合わせた。 「……将吾らしいな」 航君が苦笑いすると、凛子も諦めたようにつぶやいた。 「っとに、しょーがないわね」 私はなんだか楽しくなってきて、笑顔で二人に言った。 「じゃあ、教室、行こっ!」