「絶対嫌です! 去年は入学したばかりで何も知らなかったから先生の研究にいいように使われましたけど、もう今年はやりませんから」 航君にはっきり断られた森先生はがっくり肩を落としてる。 事情を察した私は、たまらず先生に声をかけた。 「あの、先生? 私でよければ、お手伝いしますけど?」 すると先生は、弱々しく微笑みながら私の方に顔を向けた。 「歩美、サンキューな。 でも、その気持ちだけでいいわ。 やってもらいたいのはパソコン入力だから」