しかし、片岡君はくじけず言い返した。 「ふん、そんだけ向こうが有利なら、ますますやる気が出てきたわ。 俺は障害が多いほど燃えるたちなんでね」 それを聞いた凛子はため息をついて、私の肩を抱き寄せた。 「あっそ、じゃあ勝手にすれば。 でも、私の可愛い歩美をあんまりこき使わないでよ!」 毎度のことながら、凛子と片岡君のけんか腰のやりとりにはヒヤヒヤさせられる。 凛子に言わせると、中学時代から片岡君とはこんな感じだったらしくて、 二人にとっては、これが普通なんだっていうんだけど。