片岡君は私の隣の自分の席につき、航君はその横に立った。


凛子はイスを片岡君の机に寄せ、声を低めて聞いた。


「あんた、生徒会長に立候補するんですって?」


凛子の問いかけに、片岡君は面倒くさそうにうなずいた。


「ああ、まーな」


「真崎君も再選を目指すって噂よ。
あんたに勝ち目はないわ。
やめるなら今のうちよ」


「うっせー。
そんなのやってみなきゃわかんねーだろ?」


「わかるわよー。
だって相手は前生徒会長で知名度抜群の真崎君よ。
去年の実績も申し分ないし、あんたが逆立ちしたってかないっこないわよ」