「歩美にだってあるよ、特技」 片岡君につられて私も立ち止まった。 「え……?」 「おまえの字だから、緊張しないで読めたんだ」 「えっ?」 「立会演説会。 俺、全校生徒の前に立つなんて初めてで、かなりあがってた。 でも、原稿開いたら歩美の字があって。 それで、すーっと気持ちが落ちついた。 歩美の字のおかげで、いつもどおりに喋れたんだ」 「私の字で……!?」 「ああ」 「そんなこと、初めて言われた」