「あー、はいはい。 まあ、今日はたっぷり時間あるし。 ゆっくり語ろうねー、歩美」 「凛子ぉ!」 そうは言ったものの、うちに来てから凛子はその話題には触れなかった。 さんざん私の部屋にあるものを引っくりかえして、 中学時代のアルバムに変な顔でうつってる子とか、 小学校の卒業文集に載ってるイタイ作文とか、 そんなものを見つけ出しては私に見せて笑わせた。 そうして、日が暮れる前に「じゃあねー」と元気に帰って行った。