「あー、急に悪かったな」 どぎまぎしながら、私は首を横に振った。 「ううん、大丈夫」 本当は全然大丈夫じゃないけど。 だって、人気者の片岡君にいきなり肩組まれたんだもん。 心臓はドキドキしっぱなしだし、顔も熱い。 それでも必死に私は平静を装った。 「あの、えっと、話って?」 「ああ……」 片岡君は少し視線を落として口ごもった。