片岡君がその紙をのぞきこむと、航君は言った。 「感謝を形にしてもらおうと思って」 「入部届?」 航君が置いたのは、部活の入部届の用紙だった。 「俺、バスケ部入ってるけど?」 片岡君が不思議そうに顔を上げると、航君は言った。 「生物部と兼部してくれ。 名前書くだけでいい。 活動はしなくていいから。 先輩がやめて、廃部の危機なんだ」