「行ってらっしゃい美桜様」


ーガチャン

大翔がいない朝
大翔が学校にもいない朝
何もかも失われたかのように感じた。


「どっちだし…」
「ホント…って、あの子の制服…」


私の前で同じ高校の制服を来てオドオドしてる男子が二人。


「あ…あの?」


私の声に勢いよく振り向いた二人は、着いてっていいですか?と聞いてきた。


「はい…」
「俺等、転入して来て分からなくて…俺は勇瑠、こっちは京介。」
「よろしく」
「あ、私は美桜です、よろしく」


二人は私の名前を聞くとさっきまでの笑顔が消えた。


「美桜!」


後ろから走ってくる麗奈が誰?と聞いてきた。