「お、お前…」
「失せろ」


私の目の前には後ろ姿でも判別がつく男がいた。毎朝同じ香水をつけて茶髪で眼鏡をかけている私の執事、遠藤がいた。


「秦さん…」
「早く失せろ、このカス!!テメェらの族潰すぞ、分かってんのかよ!!」

ードン


私の髪を握っていた男は遠藤によって教室の端まで追いやられた。


「俺のお嬢様に手ぇだすんじゃねぇよ…」
「す、すいません!」


遠藤の圧力から自分達の過ちを気付いて逃げ去る男達。


「…アハハ、お嬢様、お怪我はありませんか?」
「…う…うん」
「なら良かったです」


遠藤はそう言うと、ドアの方を見て誰かに話しかけた。