「自分から名乗りあげるなんて、すげぇ…んで、アンタさ…桜庭がどこにいるか知ってんだろ?」


そう言って近寄ってきた男は、私の髪を握って無理矢理顔を上げさせた。


「おい、美桜様になんて事を!」
「佐堂、黙れ」
「お嬢様…」
「なぁ…」


大翔は文化祭期間中雑誌の撮影で海外に行っている。


「…海外」
「は?どこの国だよ」
「そこまで私は知らない。」
「…てめぇ!」


もう片方の手が私目掛けて向かってきた。
その手を避けるなんて無理なのを感じた私は目を閉じた。


ーバシッ


あ…れ…


私がゆっくり目を開けるとそこには…