私は受け取った10冊以上のノートを捲ってみた。


「…暗記?」


そこには、黒板の字とはまた違う黒い綺麗な字とオレンジやピンクなどペンで丁寧に書いてある字が並べられていた。


「お前、点数悪いんだから使って覚えろ。俺の行ってた高校とは違うけど要点は多分一緒だと思う。今のお前の学年は、年間にそれだけの量だよ。」


“1-B 21 桜庭 大翔”


表紙には、大翔の名前が書いてあった。


「会いたいな…」
「誰に?」


私が呟いた言葉に敏感に反応した大翔。


「高校一年の桜庭 大翔に…」


成績優秀、イケメンくん、自称モテない大翔に…。