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「十和?」
「…」
「デートしない?」
「無理」
「…そっか、ゴメン」


週一程、俺の仕事場に来る美海。
俺自体女と付き合ったことがない。
だから、付き合い方なんか知らない。
つまり、美海は毎日野放し。
デートすらしない。
メールすらしない。
電話すらしない。
それでも、俺の傍にいてくれた。
これからも、そうだと思っていた。


「…」
「美海、悪いけどコーヒー持ってきて。」


いつものようにお願いしたはずだったんだ。


「美海?」
「…」
「美海?」
「…自分で持ってきたら?」
「は?」


美海は立ち上がり俺の方を向いた。