実希さんは私の目を直視した。


「…どうして?」
「隠したいんです。全て…。」


髪を染めたから強くなるなんて事ない。
けど、昔の私は嫌だから。

「…でも「良いんです!…私は変わりたいんです…。今までの自分を捨てたいんです…。」


実希さんは私の顔をみると洗面所に向かった。


「…一個ならある。けど、明るすぎるんだけど…」


茶髪ではなく金髪だ。


「良いです。」


実希さんは、手慣れた感じで私の髪を染めてくれた。
数時間経って鏡を見ると自分なのに自分じゃない自分がいた。


「似合ってる!」


実希さんは、私を見てニコッっとしてくれた。


「ありがとうございます。」