「お母様帰ってくるんだね…」


家に帰ると、既に夏休みに入っている大翔がソファーに座って雑誌を見ていて、私は帰ってくるなり大翔の膝に座った。


「うん」
「嫌だなぁ…」


大翔お得意のスリスリをされている私。


「大翔…」
「ん?」


ちょっと上を見る大翔がかわいくて苛めてみたくて…


「愛してる…」


わざと耳の近くで飛びっきりの甘い声で言ってみた。


「は?え?」


焦ってる大翔を見て大笑いする私。


「な〜んて」
「キャッ」
「俺も…愛してるよ…美桜…」


私よりも甘い声で耳もとで言ってきた大翔。

やっぱり大翔には叶いっこない…。