─美桜side─
今までに無い悲しい目で私を見つめる大翔。
「…大翔が楽しそうじゃなくてさ…ムカついた。態度に出さなくても良いじゃん!」
私は思いっきり叫ぶと大翔は腕を放した。
「…俺が悪いじゃんか…美桜が悪いわけじゃねぇから。」
そう言って自分のもとに私を引き寄せた。
「ごめん…楽しめなかった。京介の事で頭いっぱいでさ…美桜の事まで頭回んなかった。」
壊れたドアの所から光が指す以外に光は無いから大翔の表情が見えるわけじゃないが、声からして物凄く切なそうだった。
「…大翔?」
「京介と麗奈ちゃんと連翔をみてると辛いんだよ…」
さっきよりも倍の力で私を抱きしめる大翔は小刻みに震えていた。